ずぅーっと読んでみたくて読んでいなかった
「知的な痴的な教養講座」By開高健を読んでみましたぁ~
期待以上に面白かった!
故・開高健氏のウィットに富んだ「教養エッセイ」は、刊行から
15年も経った今でも的を得ていて古びていないのがすごい。
彼のような、
どこを切っても男である、といった風な、
逞しく、そして優しい男性が激減している(気がする 笑)
昨今、もし彼が生きていたら、どのように考え、今何を書くのだろう?
この中で特に印象に残ったのが
「目には目、歯には歯」という章。
ご存知
ハンムラビ法典の中の一節で、
これが同害復讐法といわれる所以となる部分とも言えるのだけど、
これってキリスト教の教える「右の頬を殴られたら左の頬も出せ」
に比べると、やられたらやり返してOK!みたいな
割とひどいイメージがあるわよね。
でも、彼曰く、これが書かれた当時は復習というと
「ちょっとのことではすまない凄惨な報復を常習としてたんだ」そうで、
「目には目を・・・」は、むしろとってもフェアプレーを訴えているとのこと。
へぇー、そうなんだー!
確かに考えてみたらそうよね。
同じ程度のことで済ませる=フェアプレーって、実は全然できていない。
やられたら倍返しにしてやるぅー!みたいな心理って、
人間の憎しみとか怒りという感情から自然と生まれてきてしまうものなの?
それとも本能的に競争意識(自分が勝つぞ!という)が働くから?
いずれにせよ、おそろしやおそろしや。
で、ふと思い浮かぶのはアメリカのイラク攻撃。
9・11の「報復をして当たり前」、何千人の命が奪われたのだから
「こちらも何千人殺してもOK」という論理がすごーく怖ろしい。
だからずっと攻撃は終わらないし、正当化もされているのかも。
(皆が納得しているかどうかは別として)
石油絡みで色々と大きな計画(陰謀か?)が
あるのかもしれないけれど、だらかといって、
それに関係のない人達を使って世界を変な風にしないで!と、
半ば泣きたい心境。
3700年も(!)前から、法を整備しても、学問がいくら盛んになっても、
芸術が振興しても、幾多の戦争で悲しいことが起きても、
もー何があっても人間って、「フェアプレー」がとっても苦手な
生き物なのでしょうか???